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中庭 洋一

なかにわメンタルクリニック医院長
2015年対馬市厳原町に【いずはらメンタルクリニック】を診療所として開院

福岡市中央区春吉に対馬の仲間が集う居酒屋【なかにわ商店】、対馬市厳原町に【蔵カフェ茂山】と飲食店も運営している

田舎を楽しむ”対馬”

 

福岡市城南区の茶山でメンタルクリニックを開業しています。

主に私の専門は自閉症、児童精神医学です。

自閉症とは発達障害と呼ばれる中の代表的なものです。

 

これは生まれながらのものですからお子さんが小さい頃からずっとフォローしています。

当然大人になっていくので自閉症の大人も多く診ています。

 

しかし、私は自閉症ばかりでなくて一般の精神疾患も診ています。

皆さんが良くご存じなのは統合失調症とかうつ病だとかそういったものもです。

 

 

対馬にメンタルクリニックを開業

2015年、実家がある対馬の厳原町に『いずはらメンタルクリニック』という診療所を作りました。

 

 

 

もともとあった厳原町にあった『いづはら病院』という大きな病院が閉院して

20キロくらい先にある雞知(けち)というところに移転したんです。

 

精神科医などの専門性のある先生方が厳原の町からいなくなったので、

統合失調症などの方達は20キロ先の病院まで通院しないといけなくなったわけです。

そんな大変な思いをされている厳原の人のためにとクリニックを作りました。

 

今は月に2回しか開けていないですが、私が診療を行っています。

そのうち3ヵ月に1度は(福岡市南区)大橋で開業医をされている

佐藤先生という女性の先生に行っていただいています。

 

これまた偶然なのですが、佐藤先生もご先祖が対馬出身らしくそういうご縁もあって協力してもらっています。

さらに、対馬保健所の嘱託医でもあり年に2~3回は対馬で相談業務をしています。

 

 

なかにわ商店

 

精神科医に限らずなんですが、医者と患者の関係というのはある程度の距離を保っておかないといけないんですね。

 

近すぎると(冷静な判断が)できなくなるからという理由で。

ただ、発達障害は生まれつきの「目に見えにくいハンディキャップ」なので、

そもそも病気なのか?という観点もある。

 

そういう人達を支える福祉や教育、医療の人たちを含めて勉強や交流の場になる

という理由で【なかにわ商店】という飲食店を始めました。

 

 

 

 

なかにわ商店のお客様としてクリニックの患者さんやそのご家族が来て下さることもありますよ。

 

もともと僕は福岡大学の精神科所属だったんです。

 

福岡大学は精神分析の教室で、とにかく「患者さんとは中立を守って距離をとりましょう」というのが重要なことだと教わるんです。

だから同じ教室で学んだ皆から言わせると「お前は変だ。」と言われると思うんですよ。

 

 

 

 

だけど、自閉症とかの障害を持つ人を支えるには福祉的な関わりが多く、

患者さんとの距離近く足を踏み込まないといけないところがあるので、

精神科の中でも僕ら発達障害を扱う医者は患者さんとの距離が近くなることがあります。

 

対馬の【蔵カフェ 茂山】

もともと中庭家は(かつて対馬国を支配した)阿比留の流れで平安時代くらいから対馬にある家なんです。

江戸時代くらいからずっと厳原にいて、明治時代からは今屋敷という町の中心地に家を構えています。

 

両親も高齢で、実は父が5月(2019年)に死去したんですけど、

もし両親に何かあれば、中庭家には誰も住まない事になって、町の真ん中に土地がぽっかり空くんですね。

 

中庭家がなくなってしまうし、中庭の親族が拠り所とする所もなくなる。

自分が育ったルーツがなくなりそうな気がしていて、どうやったらそれを保てるだろうかと考えました。

 

 

 

 

 

実家は建て直したんですが、裏の土蔵だけは残しました。

今は飲み物や軽食が楽しめる「蔵カフェ」として地元の方に親しまれるように改装しました。

 

 

対馬には手付かずの自然が本当にたくさんある

 

福岡に住んでいる対馬出身の知り合いがたくさんいるんですけど、

「改めて訪ねるとこの島凄いね、こんな良いとこないね。」と言うんですよ。

 

対馬の外から来るとね、安易な表現では海がキレイとか言うけど。

そこに住んでいるとわからない事がいっぱいあると思います。

 

家内は最初に対馬に来た時に山を見て「トトロが出てきそう」って言ってましたね。笑

 

対馬には手付かずの自然が本当にたくさんある。

 

日本最強の城に選ばれた「金田城(かなたのき/かねだじょう)」なんて地元の人でも知らない人が多いでしょう?

そんな歴史のあるものが対馬にはゴロゴロあるんですよ。

 

神代の時代の話だけど、三韓征伐の時、神功皇后がつわりが来てそれを抑えるための石なんかがあって、

知り合いが以前それを見にいったんだけど、見当たらないので聞いたら「あれ誰か持ってったかな?」っていうくらい。

 

そんなに重要なものがそこらへんにあるの?って。

 

歴史ある重要文化財がゴロゴロあるのに開発してない対馬人もすごいな、と。

だから仏像が盗まれたりするんですよ、世界遺産級ですからね。

 

そんなものが盗めるようなところにポンっと置いてあるのが対馬のすごいところよね、と。

 

本当言うとこのまま人が来ないでほしいな、と思う。

 

まだ、昭和が残っている。自然もすばらしいし、開発していない。

 

 

僕はヨットに乗るんですがそのヨット関係の人間も

「こんなに不便なことない。もうちょっと工夫したらいっぱい観光客来るのに。」って言ってますよ。

 

 

僕は葛藤があると思うんですよね、開発した方がいいのか、このままがいいのか。

生き残るにはもしかしたら開発しないところかもしれないし。

 

 

ある有名な経済学者が言ってましたけど、江戸時代が一番効率的だったんだ、と。

妙に便利にしない方がいいところはあるかもしれないですね。

でもそうやると島の人間の経済は潤わないし、島の人口は減っていくばっかりだと思うので、

この島に魅力を感じて住んでくれる方が増えて、

島の魅力を程よく伝えてくれるのが本当はいいのかもしれないですね。

 

 

自然は崩しちゃうと元に戻せないし。

大規模観光開発より規模は小さく民泊とかで体験型とかいいのかもしれない。エコな感じで。シーカヤックとか。

 

 

 

ただ、ターミナルには洋式トイレもない(笑)

だから「開発」じゃなくて、人に優しいものは作ったほうがいい。

そういう意味でのバリアフリーというかユニバーサルデザインは入れたほうがいいかもしれないですね。

 

 

田舎を楽しむができる ”対馬”

都市にあるような大きなビルとかコンビニとか便利な世界を期待するんでなくて、

「田舎暮らしを楽しむ」のがいいのかもしれないですね。

 

でも昔に比べたら随分便利になりましたよ、今は車も皆持ってるし。

道路もきれいになったし。

僕らが小さい頃なんか「(対馬北部の)比田勝行った事あるかな?」というくらいですよ、

昔は比田勝まで途中船で行ってましたから一大行事でしたよ(笑)。

 

 

便利になって上対馬とか簡単に行けるようになったので。

上対馬には舟志(しゅうし)のもみじ街道みたいなキレイなところがたくさんあるんです。

 

もみじの季節じゃなくても本当に素晴らしい。

 

 

対馬には僕も今だに知らないところがたくさんあるから凄いですよ。

何回でも対馬のいろんなところに行っていただきたいですね。

Posted - 6 January 2020

いずはらメンタルクリニック(福岡:なかにわメンタルクリニック)

http://nakaniwa.blue.coocan.jp/index.html

https://goo.gl/maps/xxza4mbze8AtT7y38

月2回  第1・3木曜日(中庭洋一 医師)
 午前  9:00~12:00
 午後 14:00~18:00

福岡:
※新患完全予約制

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