【8月18日_米の日】対馬米米クラブ 始動!
18 August 2021
対馬と韓国との直線距離は、わずかに50kmです。
50kmという距離感。。。東京から横須賀くらいの距離です。国境の地なんていうと、みんな一緒くたに見えるようですが。。。
● 与那国島から台湾までは約125km
● 稚内からサハリンまでは約159km
● ちなみに福岡から対馬までは約138km 北九州市までが50km
なのです。
2019年7月以降、対馬に訪問した韓国人客が激減し、比田勝地区においては前月比で売上90%減少という店舗も存在しています。また風向きが変われば韓国人客が来る。。。と簡単に考えず、今だからこそ まずそもそも何故 韓国人客が対馬に来たのか?を考えてみたいと思います。ちなみに「近いから遊びに来る」という話もありますが、半分正解で半分間違いだと考えております。
【理由1】最も安い海外旅行ができるから
「リゾート的な海外旅行」を意味しているのではありません。
海外旅行をする人間の特典を使うのに、対馬が最も都合がいいのです。対馬に限らず韓国人観光客は免税品を「出国前」に買う傾向があります。もちろんそれはロッテやシンセゲの免税百貨店で購入するので、当然ポイント等のサービスが含まれ、しかも免税価格でブランド品を買えるわけです。大阪のなんばや福岡の博多駅でも、韓国人観光客が日本に着いた初日の荷物に免税店のバッグを持っている人が多いのもそれが理由です。つまり出国したらある程度の目的を達成できるケースが多いのです。
【理由2】釜山から見えるから
見える場所には行ってみたい。それは普通に人間の感覚としてはあるでしょう。そのリアリティが目の前にあり、しかも他国。しかも最も気になる国、日本。10,000円以下の料金でそこに行ける。ちょっと行くか!なんて軽い気持ちがきっかけでしょう。
じゃあ、なぜここ数年ニュースで騒がれるような仏像盗難やマナーの悪い渡航客の入国が起きたのでしょうか?
その答えは、端的に言えば「対馬の価値を低めて、安く大量に韓国人を渡航させた」からです。誰が?韓国の旅行会社が、です。
そもそも韓国人への対馬ツアーを生み出したのは対馬市側・日本側ではありません。韓国の旅行会社側が企画を考え、プライシング(値付け)をし、販売をしたことが背景にあります。
韓国の旅行会社のうち、特に団体客目当ての会社は、まず必ずと言っていい程「値切り」をしてきます。かたや対馬側は商売にも不慣れで値交渉などさらに不慣れ。。。値段はどんどん下がり、気づけば一泊5,000円~3,000円なんてのがザラになり、顧客の質もこれに合わせて徐々に下がることになってしまいました。。。
そもそも何国人だろうと一般的には、「所得の高さとリテラシー・マナーの高さは正の相関であること」は、どなたも肌感覚で理解できると思います。
ちなみに今まで、福岡や大阪に来ていた(今もこれらの町は来訪者がいますが)韓国人観光客はソウルや釜山という都会の人ばかり。来るお客様は圧倒的に20歳代~30歳代という若くて日本が好きな人ばかりです。彼らは2泊3日で宿泊費・渡航費を除いて平均60,000円/人 使います。
結構、よい客単価ですよね。そんな彼らはみな行儀も良く、我々は最高の客だと日々体感しています。飲食店の皆様やショップの皆様にも、胸を張って誘導・紹介できます。
で。
対する対馬。客単価は半額弱の22,000円程度。宿泊・交通費を除くと15,000円程度です。しかも本当にすべて日本企業にお金が落ちているとも限りません。何にいくらお金を使っているのか?正確につかんでいるのか?そして韓国人の顧客が何を求めているのか? などヒアリングが十分にできていない現状がありました。
安い日本、唯一安く行ける日本。そういう風に映っていたんですよ、対馬は。それでも今後、韓国人を入国させて観光客の受け入れをすべきなのでしょうか?
別に日本が好きでもなんでもない人、別に対馬なんかどうでもいいと思っている人、単にブランド品を安く買いたいだけの人、そんな人を大量に入国させるのは、あまり推奨できないですよね。
結果として仏像泥棒を入国させ、盗まれて出国させてしまった。。。
いま対馬は転換期であり、過渡期となりました。無尽蔵にインバウンド入国者数を増やすような乱暴な施策をせず、入国する韓国人観光客を減らす代わりに客単価を倍増させる方向に向けて目下進もうとしています。
来てほしくない客が来なくなる戦術を打つ。これも大事なマーケティングです。高級感、高い客単価、高いサービスレベルや接遇、神々しい雰囲気作りちなみに、これらのマーケティングには日本人の渡航と消費という大事な協力が不可欠です。なぜなら「韓国人の個人観光客は、日本人に人気のある商品やサービスを好むから」です。
今読んでいるあなたが、対馬に行ったことがないなら、ぜひまずはお越しください。あなたが来ないと対馬は変われません。あなたの消費と行動が島を変えます。そしてその気持ちだけでもいただけると、島も奮起します。
今一度、双方感情を表に出す不毛な日韓双方のメディアと一部団体に踊らされることなく、健全な経済活動が行われるための戦術を、落ち着いて考えてみたいです。対馬は素敵な島です。日韓双方から良い客が来訪する「仕組み」「仕掛け」を構築することが必須だと考えています。
Posted - 1 October 2019